1. ふぐの歯はあのピラニアに匹敵する?
  2. 養殖で行われる歯切りとは?
  3. 人の歯はフグの歯と同じ遺伝子から進化した?
  4. 釣り人・漁師の仕掛けを壊すふぐ
  5. 口には手を入れるな!ふぐの歯の強さ・怖さ

1. ふぐの歯はあのピラニアに匹敵する?

ふぐは特徴的な歯を持っているのをご存知でしょうか。
具体的には、ふぐの口には上と下にそれぞれ2枚ずつ板状の歯が生えているのが特徴です。
この歯の形はフグ科の特徴的なものですが、ふぐの種類によっては3枚歯があるものもいるそうです。ふぐはこの歯で、餌とする甲殻類やヒトデを食べているのです。

ふぐの歯はとても丈夫で、強い力を持っているのが特徴でもあります。
漁で使うワイヤーなども、直径2mmほどのものであると、ふぐには噛み切ることが出来るほどの強い力を持っています。
ふぐが軽々とアルミ缶をかじってしまう映像などもネット上にはあがっており、ふぐの歯の力がとても強力なことがわかります。それゆえに、ふぐの歯にはあの凶暴なピラニアにも匹敵するほどの歯の力があるとも言われているようです。丸みを帯びた可愛らしい見た目のふぐですが、日頃から甲殻類を主食としていることはご存知でしょうか?ワイヤーのような硬いものをふぐが噛み切れることも納得がいく食生活をしています。海外ではふぐによる人的被害も報告されており、ふぐに耳を一部噛み切られてしまったとの被害もあったとのことです。ふぐは普段は人を襲うようなことはあまりありませんが、繁殖期などはメスのふぐが特に警戒心が強く、このような事故につながることもあるとのことです。野生のふぐを見つけた際などは、すぐにふぐに近づいたり、ふぐを触ったりしないようにしましょう。

2. 養殖で行われる歯切りとは?

ふぐを養殖する際、ふぐの歯切りというものが行われています。このふぐの歯切り、あまり聞きなれませんが、ご存知でしょうか?ふぐの歯切りとは、気性の荒いふぐ同士が噛み合って互いのヒレや尾びれなどを傷つけないために文字通り、歯を切る(抜く)為に行われているものです。ふぐ同士が争った際に、このような噛み合いが起こってしまい、ふぐの体の一部が傷ついてしまうとのことです。

ふぐの歯切りはふぐが稚魚の頃から定期的に行われていて、綺麗で美味しいふぐを育てるためにはなくてはならない作業の一つです。
そのため、ニッパーなどを使い丁寧に手作業でふぐの歯切りは行われているため、非常に時間がかかる作業です。それゆえに、ふぐの養殖において一番大変な作業とも言われています
また、先ほどもお伝えしましたが、ふぐの歯には強力な力があります。
ふぐに噛まれると大きな怪我にもつながりかねないため、ふぐの歯切りを行う際は手袋や軍手を使用し行います。手慣れた人が行なうと、1時間で300匹以上のふぐの歯切りを行うことが出来るそうです。作業時は、ふぐに噛まれると大怪我をするため、必ず軍手を着用しています。慣れた人でもこれだけ警戒してふぐを触るわけなので、やはり私たちはふぐを見つけても不用意に触らない方が良いといえるでしょう。綺麗で立派なふぐを養殖するためには、このふぐの歯切りは必要不可欠です。

3. 人の歯はフグの歯と同じ遺伝子から進化した?

人間の歯と、ふぐの歯は、一見全く共通点のないもののように見えます。
しかしながら、最近の研究によって、人間の歯とふぐの歯には驚くべき共通点がありました。

英シェフィールド大学動植物学科のガレス・フレーザー氏によると、人間を始めとする一般的な脊椎動物の歯と同様に、ふぐの歯にも継続的な生え変わりを司る幹細胞と遺伝子があるとのこと。これには幹細胞一式というものが関与していて、私たち人間を始めとする脊椎動物は歯が生え変わるという変化が起きます。それと同様に、ふぐにも歯が生え変わるという変化が起き、それを引き起こしている遺伝子は、ふぐと人間と同じ遺伝子によるものだというのです。つまり、人間の歯はふぐの歯を作り出す遺伝子と、同じものから進化したということがわかったのです。

ふぐのクチバシと呼ばれるものは、独特なものでふぐの進化の中で奇跡的に起きたものと言われています。ふぐのくちばしは、 歯の生え変わりの過程が変化することで現在のような形になったそう。ふぐのくちばしと言っても、これは歯が生え変わる際に元の古い歯と融合することで出来たものです。このように、ふぐのくちばしは融合を繰り返すことで強固なものとなりました。ふぐが甲殻類のような硬い獲物を捕食できるのも進化の過程があってこそのことです。外敵の多い海中で生き抜くための、ふぐの進化です。

一見、全く関係のないように見える私たち人間とふぐですが、実は同じ遺伝子から進化していたという、同じルーツを持っていました。研究者の中には、ふぐのような強い歯に、人間の歯が進化していく可能性がある、と唱えている人もいるそうです。将来、ふぐと人間との共通点が増えているかもしれません。

人間の歯は永久歯が生えたら二度と新たに生えてくることはありません。
そのため治療も必要となってくるわけです。しかし、ふぐの歯は生え変わるという性質がありますので、この研究成果により、今後私たち人間の歯の治療にふぐが活用されることもあるかもしれません。このように、 人の歯はフグの歯と同じ遺伝子から進化したという驚きの研究結果が出ているのです。

4. 釣り人・漁師の仕掛けを壊すふぐ

強力な歯の力を持つふぐ。そのふぐの歯の力によって、釣りや漁の仕掛けも壊してしまうという声が、多く聞かれています。

ふぐ釣りの際も、仕掛けで使うカーボン、ワイヤー、硬質ステンレス線なども、ふぐの歯の力で簡単に切れたり折れたりしてしまうそうです。
ふぐ釣りをする方は、かなり仕掛けには試行錯誤しており、様々なものを試しては失敗して…なんていう方も多いようです。ふぐ釣りの仕掛けは、かなり工夫や知恵が必要そうです。

また、漁においても仕掛けで使っているワイヤーなどがふぐによって簡単に噛みちぎられることも多々あるようです。先ほどもご紹介しましたが、ふぐの歯には簡単にアルミ缶を噛み壊す力があります。ワイヤーも細いものであれば、ふぐの歯の力で簡単に噛みちぎることが出来てしまうのです。ふぐ漁などは、延縄や網漁などによる漁が主流のようです。小さい針に餌をつけてふぐを捕獲していたり、縄で様々な魚と一緒にふぐをすくい上げたり。小さい針のようなものを使用する延縄では、ふぐの歯の力によって漁で使用するものが壊されるケースも多く、漁師の方とふぐの真剣勝負の末の結果、沖から市場までふぐが運ばれています。

5. 口には手を入れるな!ふぐの歯の強さ・怖さ

既にふぐの歯の危険性については多く触れてきましたので、お気づきですね。ふぐで気をつけなくてはいけないのは毒だけではありません。丸みを帯びて、可愛らしい見た目のふぐ。
このキュートなふぐの外見から、思わずふぐを触りたくなってしまう、なんていう人も多いかもしれません。ここまでふぐの歯の力の強さについてお伝えしてきたのでわかるとは思いますが、ふぐの歯の力は想像以上に強力です。
そんなふぐの口に手を入れてしまったら、ふぐに指や手が噛みちぎられる可能性もあります。水中で近くにふぐがいて、体の一部を噛みちぎられたケースもありますので、安易に触ることはせず、ふぐの危険性をしっかりと思い出し近くに行かないことも重要です。また、ふぐ釣りに行った際などは、釣り針を外す時にどうしても手をふぐの口元に近づける必要があります。もちろんその際は細心の注意を払うことが必要ですし、なるべく道具なども使用してふぐに直接手で触れないようにするのが良いでしょう。

私たちの想像以上に、ふぐの歯には強い力があることがわかりました。
ふぐの様々な性質を知ることで、さらにふぐの面白さを感じることが出来たのではないでしょうか。ふぐを食としての魅力だけでなく、生物としての魅力にもぜひ触れて頂ければと思います。