1. 赤潮とは?その仕組みとは?
  2. 赤潮のメリット・デメリット
  3. 原因と傾向
  4. 養殖・漁に与える影響(事例など)
  5. 実際に行われている対策など

1. 赤潮とは?その仕組みとは?

赤潮はプランクトンが異常発生することにより、海に限らず川や運河、湖泥などが変色することを指します。赤潮と呼ばれるのは主に赤く変色することからそう呼ばれています。変色の色は異常発生するプランクトンの色素によって異なり、赤色のほかにオレンジ色や赤褐色、茶褐色などに変色します。
赤潮が発生するメカニズムとしては気象の変化や火山活動、様々な環境の変化に起因してプランクトンの異常発生が起きることで引き起こされます。
それは赤潮を引き起こすプラントンが色素としてクロロフィルのほかにカロテノイド持つ場合が多いためです。プランクトンが異常発生する要因は水中の富栄養化が要因となっています。赤潮を引き起こすプランクトンは植物性プランクトンであり太陽光と水、栄養分が豊富である場所で発生します。したがって発生しやすい場所は河口付近などの水が流れ込む場所や流れの止まっているような場所で赤潮は発生しやすくなっています。

2. 赤潮のメリット・デメリット

赤潮のメリット・デメリットについてですが、まずメリットを考えると赤潮の原因となる植物性プランクトン自体は魚介類の餌であるため、植物性プランクトンが増えればその海域の生産性が上がるというのが直接的な考え方ではあります。しかし、赤潮はそういった植物性プランクトンが局所的に異常発生することで引き起こされるため様々なデメリットが発生します。
魚はエラ呼吸を行っており海水をエラに通しその際に海水の中に溶け込んでいる酸素を取り入れています。魚のエラはフィルターのようになっているのでプランクトンが大量発生した水をエラに取り込むとエラなどに大量にプランクトンがつまり窒息死の原因となります。またプランクトンが生み出す毒素などにより魚が死ぬこと、原因プランクトンや息絶えた魚の死骸を分解する際に水中の溶存酸素濃度が低下します。それによりいわばさらにほかの魚が酸欠状態になり窒息死するなど、赤潮が原因でほかの海洋生物が死に至ることになります。

3. 原因と傾向

赤潮の原因は先ほど述べたように水中の富栄養化や環境の変化などによる植物性プランクトンの異常発生ですが、その富栄養化の原因は地上の工場や家庭から流れ出る工場排水や家庭排水が関係しています。工場や家庭の排水には植物の栄養となる窒素やリンが大量に溶け込んでいることが多く、それが海水などに流れ込むことにより窒素やリンが異常に多く含まれた水となります。そのためそれを栄養とする植物性プランクトンが大量発生し赤潮を引き起こすこととなります。また、護岸工事で干潟が減少していることが浄化作用の低下を引き起こしていると問題視されています。
また、最近は養殖が盛んになっていますが、養殖場がある場所でも赤潮が発生しやすくなっています。それは生餌の食べ残しや死んだ魚の死骸がたまり、先ほど同様窒素やリンの栄養が発生するためです。
赤潮は古くは奈良時代にも発生したという記録がありますが、工業化が進んだ1970年代頃に赤潮の発生が急増しています。
赤潮は水温が高く、雨が多くなる梅雨の時期から急増し、夏季に最も発生します。そのためその時期は養殖場などでは餌やりを控えるなどの対応が必要になります。

4. 養殖・漁に与える影響(事例など)

赤潮は養殖や漁業の収穫に甚大な被害をもたらします。
それは赤潮が発生した養殖場や漁場では魚が大量死し収穫量に大きな影響を与える可能性があるからです。
特に養殖場ではその被害が顕著になります。通常赤潮が発生すると赤潮部分では魚は生きてはいけない状態となります。しかし、魚たちは赤潮が発生していない場所へ避難することで生き延びることができます。
養殖場では生簀で魚などを養殖するため、魚は生簀内から移動することは不可能です。したがって一度赤潮が発生した場合、生簀の中が低酸素状態になります。それにより生簀内の生き物のほとんどが窒息により死に絶えてしまうため甚大な被害となります。
長崎県松浦市沖にある伊万里湾ではトラフグの養殖が盛んで日本一の養殖量を誇っていますが、赤潮による被害が毎年のように起きています。ひどいときは養殖場の魚が50万匹以上死ぬ被害が発生したことがあり、被害金額は5億円に上ったと言われています。

5. 実際に行われている対策など

赤潮の発生を抑える対策は各地で行われています。各漁業関係者は中和剤の散布を行っていますが一時的な応急処置の効果しかありません。
一度発生した赤潮を取り除くことはできないので発生しないようにすることと発生した際に養殖場の魚が死なないようにするという対応がとられています。
まずは工場排水や家庭排水に関しては以前の硬度成長期に比べて下水が整備されているのでそのまま工場排水が架線に流れたり、家庭からし尿がそのまま出ることなどは減少しているといえます。
赤潮は水温が高いと発生しやすい傾向があるので、プランクトン数などを調べて発生の可能性が強まる時期には、養殖場の餌やりを控え富栄養化が進むのを抑えようとしたりします。
また赤潮は浅いところで発生しやすいので、赤潮被害の危険性がある時期には養殖場の生簀を通常より水深が深い位置に置いて赤潮の被害を逃れるなどの対策も取られています。
近年ではマクサやアオサといった改装に赤潮を札滅する効果のある殺藻細菌が多く存在することが判明しており、養殖場などでは魚と一緒にアオサなどの海藻を混合養殖が提案されていて、赤潮プランクトンを予防する効果が期待されています。